「かわいい金子麻友美」メモ6 ふたりははじマジ
金子麻友美さんのセカンドアルバム「はじまるマジカル」について、ジャケットから考えてみます。
きっかけはジャケットの模写でした。
青木俊直先生によるイラストで、可愛らしい女の子二人が描かれてます。
初めの感想は、ふたりの女性は “はじまる” と “マジカル” を擬人化しているのだろう、くらいしか考えてなかったのですが、何度も見つめ模写していると構成やパーツにはアルバムに関係したメッセージがあるように思えてきました。
さっそく見てみます。
ひとりの女性はウサギの耳をしていて、服装はピンクと赤のコーディネートで白のニーハイストッキングをはいたロリータ風の格好です。
髪型は金子麻友美さんのソレですが、服装は本人のものではありません。実際にニーハイされているなら、ぜひ見たいです。
もうひとりはネコの耳をしていて髪は金子麻友美さんと同じ長さですが、毛先がロールケーキ状に巻かれて非現実的です。服装は紫と緑のワンピースに黒のマントとロングブーツでハロウィンの魔女コスプレのようです。こちらの衣装も本人のものではありません。
ふたりは片手を繋いで、身体はお互いに反対側を向いてV字のような位置に立ち、こちらを見ています。
金子麻友美さんのようで別人のふたりが手を繋いでいるのは、天使と悪魔、陰と陽のような関係でふたりで一人、金子麻友美さんを表していると考えられます。
ただ、それが主テーマなら視線や姿勢はお互いに向き合うハズです。ふたりともこちらを見ているのはアルバムを手にした私たちに何かを訴えている、と理解できます。
〈このアルバムで私の全てをお見せます〉
という事なのでしょうか?まだ答えを出すのは早いようです。
ふたりの動物の耳と、本人がしないであろう服装にも何か意味があるハズなので、もう少し象徴を考えてみます。
ウサギからイメージするのは “可愛いらしさ” です。
ロリータファッションは “少女らしさ” を想像しますが、ひとつ違和感があります。それは首元の大きなリボンです。
コメディー番組の司会者のように誇張されたリボンはロリータらしくないです。
イメージを合わせると “可愛い少女性を誇張している” となり〈金子麻友美さんが歌っているときの外面=見ている客側がいだく印象〉の象徴と考えることができそうです。
もうひとりの猫は “マイペース” をイメージします。
魔女の服装は ”不思議な力をもっている“ ように想像しますが、こちらも違和感があります。マントのシルエットです。
使い古しなのか端が裂けて左右に大きく舞っています。マント以外の人や髪、服は動いてないのに、まるで見えない何かがマントだけを動かしているようです。
イメージを合わせると ”マイペースな不思議な力は目には見えないが存在している“ となり〈見えないが存在するもの=作品に込めた想い〉の象徴と考える事ができそうです。
総合すると、アルバムジャケットは 《作品を作り、演奏して歌うシンガーソングライター金子麻友美さんとしての想いが入っています》 と宣言しているように見えてきます。
そう考えると構図もポージングも、どこか納得できそうです。
(終)
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