「かわいい金子麻友美」ネタ2 Kaneko-Kai『守りたいもののために』
映画や演劇、ドラマの企画
1.テーマ
かつて熱狂した思い。それを呼び起こされた時、因縁もまた蘇る
2.登場人物
ふたつのグループが対立している。
1) 金子会
かつて関東で金子麻友美(マユミ)さんをサポートしていた勢力。多くの強者が集まっていたが今では知るものも少ない。
モットーは、“先に聴くべし(Listening first)”、“よく聴くべし (Listening hard)”、“情け無用(No mercy)”
・A子 いじめられっ子。現実の辛さをアニメに癒されていたが、B氏と出会いマユミさんの歌を教わった事から自分の夢に向かう決意をする。
・B氏 初老の男性。中古車業を営む。マユミさんを至上としモットーを実施し続ける猛者。その情報収集の素早さ、聞き込みの深さは今なお一流。
2) ローキック 現在のマユミさんの守護者にして最大組織。全国に彼女の言葉をひろめ急激に構成員を増やしている。
・金子麻友美(マユミ)さん 音楽の天才。人々を魅了したが突然姿を消した。半年後、新たな大勢力をバックに再びあらわれ、いまや全国規模で人々を魅了している。
・Z氏 マユミさんの才能を見抜き、全国制覇のため作品を世に広めている。
3) その他
・C子 いじめっ子。A子に話しかけたが意思疎通を避けられた事から関係が悪化してしまった。もとは普通の気がきく子
3.ストーリー
第一章
A子は母と二人、遠くの街からやってきた。
母は前職の知り合いのツテで工場に勤める事になっている。
小さなアパートで新生活が始まる。
A子は前の学校では家族構成や住まいの事で、陰湿ないじめを受けていた。そこで編み出したのは、誰とも関わらず相手が諦めるまで黙って耐える事だ。
クラスメートのC子が話しかけても意思疎通を避けるため話にならない。ある日、ついにC子はA子を両手で突き押してしまった。それから何かが決壊したかのようにいじめが始まる。
第二章
つまらない毎日。母は遅くまで帰ってこない。
心の安らぎは、一人で見るアニメ。
引っ越しても何も変わらなかった。
だが、この街にはショッピングモールがあり、その中にある大きなアニメショップだけはお気に入りだった。
店を出た時にいじめっ子を見かけ、とっさにアニメグッズを植木に隠した。
後で戻ったが見当たらずアニメショップ店員に聞いても相手にされない。店内から大好きなアニメの歌が流れてきたら泣いてしまった。
そこでB氏に出会う。B氏は、この歌が好きか、といってCDをくれた。
第三章
好きなアニメについてはじょう舌だ。
A子はB氏に素晴らしい作品だと語った。
それからA子は、アニメショップでB氏と会うといろいろ話すようになる。
学校の愚痴をいうと、B氏は主題歌の作者=マユミさんの夢に向かう姿を話した。夢を目指すには毎日を大切にするうよう訴え、困ったことがあれば金子会にくるよう勧めた。
マユミさんの夢にむかう歌詞フレーズを聴き続けるうちにA子は自分が大好きなアニメの絵をたくさん描こうと思えてきた。
学校のポスターに応募した絵はアニメ調だと馬鹿にする子もいたが、良いと言ってくれる仲間ができた。
仲間とともに金子会に出入りするようになる。
第四章
金子会でB氏はマユミさんの古いの作品を教えてくれた。
A子は、アニメ作に囚われない個人的な歌に衝撃を受けた。
自分ももっとオリジナルの絵が描きたいと思った。そしていつかマユミさんに歌をつけてもらうアニメ原作者になろうと心に誓った。
A子は、周りに悪い事を言われてもポスターや学級新聞などへの挿絵の投稿し続けた。
次第にC子とも打ち解けて話をするようになる。
第五章
A子はアマチュアのなかでは有名になった。
C子の勧めでSNSにイラストを投稿したところファンが増えた。たまにイラストの依頼をうける事もある。
金子会が有名になってくると、ローキックに二次創作と怒られた。
Z氏が直接、金子会の道場に現れる。実は彼も昔は金子会に通っていたという。
そこにA子と仲間が道場に現れると、Z氏は言う
「A子は才能がある。私の事務所に入らないか」
マユミさんに会えるかも知れないと喜ぶA子と祝福する仲間たち。そのまま道場で小さな祝賀会がおこなわれた。
その夜、B氏は道場にひとり残り酒をあおりマユミさんの歌を歌いながら寝入ってしまう。忘れ物を取りに戻って来ていたA子はその姿をみてB氏に布団をかけて出かける。
最終章
ローキックの事務所に一人で入るA子。
Z氏に、マユミさんとお話できなければ契約はできないと言い出し揉めていると偶然、マユミさんが現れた。
「貴方はなぜ金子会を見捨てたのか」とA子が問い詰めると、静かに『守りたいもののために』を歌い出す。ふたたびこの歌を聞いて涙を流すA子。人を幸せにする作品を世に残す。その為に進まなくてはならない。A子は理解した。Z氏は今も金子会だった。
“先に聴くべし”、“よく聴くべし”、“情けは無用”。A子はモットーをつぶやくと夢のためにプロとしての道を歩むことにした。
(終)
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